明日こそマジック点灯じゃ! 広島は先発岡田明丈投手(24)ら投手陣が神宮でのヤクルト戦で打ち込まれ、今季6度目の2桁失点で大敗した。それでも打線は終盤、アレハンドロ・メヒア内野手(25)の1号2ランなど4点を返す反発力を見せ、緒方孝市監督(49)も前を向いた。今日3日は舞台を横浜に移し、DeNA相手に仕切り直しを図る。

 球団最速のマジック点灯をかけたヤクルト戦は、まさかの大敗を喫した。今季6度目の2桁失点。先発岡田が立ち上がりに許した4失点が重くのしかかり、復調を期待して送り出した薮田も、7回に2本の2ランを被弾した。投手陣が打ち込まれ、マジック点灯はお預けとなった。

 岡田と薮田がともに崩れ、試合プランも崩れた。期待している両右腕だけに、試合後の緒方監督の評価も厳しかった。先発岡田には「初回がすべて。初回の入りが一番大事」と課題を克服できない現状を嘆き、復帰登板で3四球2被弾の薮田には2軍行きを通達した。「変わり身を期待したけどね。内容0点。全然変わっていない。きつい言い方をさせてもらうけど、問題にならない。2軍に行ってもらいます」。期待していた分、落胆の色も濃い。

 期待を裏切った選手もいれば、期待に応えた選手もいる。8回に代打出場のメヒアが左翼席へ来日初本塁打をライナーで突き刺した。指揮官がバティスタとともに育成選手だった昨春から期待を寄せていた逸材。打撃の安定性と三塁の守備力が上がれば、貴重な戦力となる。大敗の中で、シーズン終盤に向けた希望の光となった。

 打線は大量ビハインドの終盤に反発力を見せた。7回から毎回得点の4点と追い上げた。緒方監督も「攻撃陣は最後まで1打席、1打席、無駄のない打席をしっかりと打席に立っていた」と各打者の姿勢を評価。メヒアだけでなく、途中出場の西川が2安打で先発出場組を刺激した。

 6回裏には早くも菊池をベンチに下げた。攻撃的なタクトであり、主力の負傷リスクを回避したマネジメントでもあった。「今日は終わっていたので、また明日切り替えて」と、指揮官の目はすでに次を向いていた。仕切り直しとなる今日3日のDeNA戦で勝利し、4日の球団最速マジック点灯を狙う。【前原淳】