帰ってきたギータで、5割だ! 8試合ぶりにスタメン復帰したソフトバンク柳田悠岐外野手(29)が、決勝犠飛を含む1安打1打点の活躍を見せた。首痛で欠場が続いていた主砲が戻って打線もつながり、内川や松田宣ら主軸も打って快勝。1日で借金を0に戻した。

 みんな待っていた。「3番センター柳田」のコールにヤフオクドームが揺れた。7月24日ロッテ戦で首を痛めて以来、8試合ぶりの先発でいきなり試合を決めた。

 柳田は3回1死二、三塁のチャンスで登場。きっちり右犠飛を打ち「いいボールが来ていた。最低限でした」。これが決勝点となった。5回には四球で出塁し、二塁走者の牧原との重盗に成功。7回には中前へのポテンヒットも打った。故障の原因となった守備でも、アウトにはできなかったが、4回に吉田正の中越えの打球を素早くさばいて二塁へ矢のような返球。「(首は)大丈夫です」。鬱憤(うっぷん)を晴らすような全力プレーで沸かせた。

 首を痛めて欠場している間はもどかしい思いで過ごした。チームも苦戦し、借金と勝率5割を行き来する日々だった。柳田は「試合に出た方が楽しいし、ベンチでも出たいとずっと思っていました」。この日は朝に東京から移動してのナイター。飛行機では黒いサポーターを首に巻き「苦しいけど仕方ないっす」と苦笑いを浮かべながら、患部の保護に努めていた。

 柳田の一打を呼び水に、デスパイネ、松田宣、内川と主軸が打点を挙げて効果的に得点した。工藤監督も「打線はバランスだな。彼が戻るのと戻らないのでは、打線の重量感が全然違う」と笑顔。柳田も「試合に勝ったのが一番です」と足取り軽く球場を後にした。まだ万全ではないが、柳田の存在がチームを勢いづけた。【山本大地】