1発出れば同点の9回2死二塁。ソフトバンク上林は積極的に初球から振っていったが遊飛に倒れた。5位オリックスに連敗。後半戦では13年7月25日以来、5年ぶりの借金2となった。

 「チャンスは作れている。後半は自分たちの形で相手を追い込むところまでいった。まずは先発が抑えればいいゲームができる」。工藤監督が悔やんだように、前回7月29日楽天戦で完封勝利の武田が5回6失点と誤算だった。指揮官は「すべてがダメというわけではないが残念。走者が出て四球を出して、ちょっと弱い部分が出ちゃったのかな」と気持ちの部分を指摘した。

 4回1死から前の打席で本塁打を浴びた吉田正をストレートの四球で歩かせると、その後2死満塁のピンチを作り、8、9番の連続適時打で一気に4点を失った。武田は「セットポジションだけだった。(その時に)腕が横振りになった。走者が出てからがあまりにも悪かった。そこが課題」と振り返った。前回は二塁すら踏ませなかったため出てこなかった課題。本来なら無期限2軍調整中にクリアすべきものだった。

 工藤監督が「楽しもう」とナインに伝えて始まった後半戦は6勝10敗1分け。3カード連続の負け越しで、上位浮上どころか5位オリックスとの差は2ゲームに縮まった。残り50試合、王者の意地を見せる。【石橋隆雄】