ヨココウのみんな、オレも続いたぞ! 楽天藤平尚真投手(19)が、7回無失点の好投で2勝目を挙げた。マウンドで跳ね上がる躍動を取り戻し被安打は3。アマダーの禁止薬物問題で揺れるチームを落ち着かせる好投で、甲子園で完勝スタートを切った母校・横浜高の後輩たちにも貫禄を示した。

 藤平の右腕がチームの不穏な空気を吹き飛ばした。「そういう(アマダーについての)ミーティングもありましたし、チーム(の雰囲気)も上がってはなかった。何とかいいピッチングをしなければならないと思ってました」。初回からアウト3つすべてを三振で奪うと、最後の7回も球威は衰えず。横尾、中島を連続三振に仕留めて胸を張ってベンチに戻った。

 打線の援護もあり、チームは10-0の完勝。高校時代から仲が良く「自分の力を見せつけたい」と話していた日本ハム堀に堂々投げ勝ち、藤平には4月19日ソフトバンク戦以来、約4カ月ぶりの2勝目がついた。

 シーズン序盤は制球を意識しすぎ、四球で自滅する場面が多かった。だが5月に抹消されると「体をもう1度ファームで鍛え直そうと。ランニング、ウエートをしっかりやり、フォームも見直しました」。その結果、甘いコースでも空振り、ファウルが取れる「理想の直球」が復活。「7回でも145キロ以上のボールが出ていた。120球を超しても自分の思うようなボールに近いボールが投げられた」と手応えを口にした。

 この日の午前中、テレビで母校・横浜の試合を観戦。自分が3年生の時の1年生たちが7-0で愛知産大三河に完勝する姿を見た。「ああいう風に圧勝して自分も負けられないという気持ちになりましたし、勇気をもらえたところもありました」。藤平の好投は後輩たちへの最高のエールになったはずだ。【千葉修宏】