オリックス西勇輝投手(27)が、7回1失点の好投で5試合ぶりとなる6勝目を挙げた。序盤から得点圏に走者を背負う苦しい投球だったが、要所を締めた。前日9日には、親戚にあたる創志学園(岡山)の西純矢投手(2年)が夏の甲子園で16奪三振の快投。その活躍を刺激にロッテ打線を封じた。

 2日連続で“西”が輝きを放った。オリックス西が7回6安打1失点の好投で6勝目。チームを勝利に導いた。6月29日日本ハム戦の白星以来、4連敗と苦しんだ右腕はお立ち台に上がり「ずっと苦しい登板が続いていたので、チームに貢献したいと思っていた。ファンのみなさんにも申し訳なかったです」と声を詰まらせた。

 2回以降は5度も得点圏に走者を背負う苦しい投球。それでも持ち味の制球力と気迫を前面に押し出した。3回2死一、三塁では、絶好調の4番井上を内角シュートでバットをへし折り遊飛。福良監督も「気持ちも入っていた。テンポも良かったし、押し込めていた」と評価した。

 前日9日に創志学園(岡山)の2年生エース西が16奪三振を奪う好投で鮮烈な甲子園デビューを飾った。遠縁ということでオリックス西にも注目が集まった。前日は「確かに父親が岡山出身なので、つながりがあるのかなと思う」と話していたが、この日は「まだ父親が調べているところです」と鋭意調査中であることを明かし、「おじいちゃんが9人兄弟なのでそこのつながりだと思う。1度甲子園に見に行ってみたいですね」と笑った。

 急降下のチームも苦境を脱しつつある。これで西が前回に勝利投手になった日本ハム戦以来、11カードぶりにカード初戦を勝利。4位ロッテとは1・5ゲーム差に迫った。福良監督は「(西の勝利が)大きいですね。これからも頑張ってもらわないと」と、逆襲のキーマンとして期待。甲子園だけじゃない。京セラドーム大阪でも西がヒーローになった。【桝井聡】