ヤクルト衣笠剛球団社長が2日、退団を決断した由規投手の意向を尊重する考えを示した。

都内の球団事務所で報道陣に対応。由規について「2011年9月に故障をして復帰を目指したが、なかなか思うようにはいかなかった。今季も投げてくれたけど、その後も故障ということで、今後の復帰に向けてとなると、ある程度時間を要する。残念ながら、戦力的にはというところ。何らかの形で球団に(残ってほしい)という意向を伝えましたが、本人は現役を続行したいと。彼の決断を尊重しました。入団してくれて、勝ち星を重ねてくれて、当時の日本人最速で、人なつこい顔や性格で、スワローズファンを魅了し、増やしてくれたのは事実。成績、人間性ともに、高く評価していました。苦渋の決断です」と説明した。

由規は仙台育英3年夏の甲子園で157キロをマーク。大阪桐蔭・中田(日本ハム)成田・唐川(ロッテ)とともに「高校BIG3」として注目されると、07年高校生ドラフトでは5球団競合の末に1位でヤクルトに入団。先発ローテーションの一角を担っていたが、11年に右肩痛を発症し、13年に手術。リハビリ、育成契約をへて16年7月24日の中日戦で1786日ぶりの勝利を手にした。

今季は開幕ローテーション入りを果たしたが、6月2日の楽天戦で右肩に違和感を訴え、大事を取って翌3日に出場選手登録を抹消。2軍で調整を続けていたが状態が上がらず、7試合1勝2敗、防御率4・46で終えていた。