10勝右腕がブルーのユニホームを脱ぐことになった。中日は1日、名古屋市内の球団事務所で若松駿太投手(23)ら5選手に戦力外を通告した。

6年連続のBクラスが確定し、チームは厳しいオフを迎える。先発ローテーションの軸として期待された若松が整理選手の対象になった。「入団してから、1度もAクラスになれなかった。チームに貢献できず、悔しいが、これが終わりじゃない。何らかの形で野球は続けていく」。唇をかみながらも、現役続行を宣言。今後はトライアウトを受ける方向だ。

12年ドラフト7位で入団。下位指名ながらも、3年目の15年に10勝を挙げ、ブレークした。翌16年も7勝を記録。しかし、その後は下降線。昨年は1勝止まりで、今季は右肩のケガもあり、1軍出場はなかった。「ケガが大きかったのかな。半面、僕の実力がなかったと思う」。中日での思い出は、山本昌、谷繁、朝倉という3人の引退試合に登板したことだ。「自分の中でいいピッチングができたし、10勝よりも思い出に残っている。谷繁さんからは、困った時はアウトローの真っすぐと言われた。これからも続けていきたい」。先輩の教えを胸に、新天地のマウンドを自らつかみとる決意だ。【田口真一郎】