18歳の高卒新人左腕が、満点デビューを果たした。日本ハムのドラフト5位ルーキー北浦竜次投手が、楽天25回戦(楽天生命パーク)で1点リードの8回にプロ初登板。「緊張していて腕が振れなかった」という最初の打者、2番オコエはカウント3-1から三ゴロ。3番島内にも2球連続ボールとなったが、捕手石川亮から「自分のペースでやれ」と声をかけられ「そこから自分の投球ができた」。リズミカルなフォームでダイナミックに左腕を振った直球で、島内からは初三振を奪った。

4番ウィーラーも投ゴロに仕留めて3者凡退。全18球中14球が力のあるストレートで押して、初ホールドも記録した。「いい経験をさせてもらいました。三振を取れたこともうれしい。0点で抑えられたことも収穫です」と、振り返った。

2軍で順調に力を伸ばした。大きな故障もなく、イースタン・リーグでは18試合登板で2勝2敗、防御率4・06。最速は5キロ増の152キロに進化した。栗山監督も後半戦になると「北浦が気になる」と、1度は抜てきを決断。9月7日楽天戦(同)でプロ初先発するはずだった。

ただ、その前日に北海道を大地震が襲った。試合は中止となりデビューも流れたが、巡り巡って舞台となった仙台で最高の結果を残せた。試合後には栗山監督から「このまま(取り組みを)継続して、基礎体力も付けて来年頑張ってくれ」と、声をかけられた。

今日5日に出場選手登録は抹消され、宮崎でのフェニックスリーグに参加する。北浦は「基礎体力を付けて、変化球の精度も向上できたら」と、前向きだ。若い芽は確実に伸びてきている。【木下大輔】