燕の“巨人キラー”が、若き大砲の前に立ちはだかる。CSファーストステージ初戦に先発するヤクルト小川泰弘投手(28)が12日、神宮外苑で前日調整を終えた。巨人戦は16年から8連勝中。好データを示されても表情は一切緩まなかった。「戦いを見ていても勢いが出てきているし、すごくいいチーム。超短期決戦だし1球で流れが変わる。隙を見せた方が負け」。マウンド上のポーカーフェースそのまま、力強い言葉をよどみなく並べていった。

強い警戒心は、巨人の4番にも向けられた。史上最年少で3割、30本塁打、100打点をクリアした岡本を今季15打数3安打0本塁打と抑え込んでいるが「最年少でああいう記録を出して、すごい選手。阪神戦でも勝負どころで打っていましたしね」と警戒。「いい選手だけど、臆することなく攻めていきたい。自分の投球は攻めの投球」と真っ向勝負を挑む覚悟でいる。

前回登板から中11日。「やるべきことをやってきた。自信を持って上がりたい」と万全の仕上げを施した。対する巨人も、練習で小川の得意球のカットボール対策に着手するなど、打倒に闘志を燃やしている。

96敗の昨季には味わえなかった、しびれる真剣勝負を待ち望んでいた。「お互い対策をしてくるでしょう。そんなに甘い戦いじゃない。勝てば続いていくし、負ければ終わる。出し惜しみはしない」と決意を示した。「大事な一戦を任せていただいた。力をすべて出し切って勝利に貢献したいし、勝ってみんなで喜びたい」。ライアンが巨人を沈黙させる。【浜本卓也】