中日が、新監督に決めたOBの与田剛氏(52)と3年契約を結ぶことが12日、分かった。長期的視野で6年連続Bクラスのチーム再建を託したい考えだ。

中日の監督は谷繁元信氏、森繁和現監督と2人続けて就任時に複数年の契約を結んでいたが、あくまで包括的なもので契約自体は1年ごとに更新されていた。両監督とも“任期”の途中で退任している。

今回の与田氏はそれとは違う契約形態になるとみられる。付帯条項は付くものの「最低3年」の指揮権を約束することで、地に足をつけたチーム作りができるメリットを見込む。

球団も新たなバックアップ体制を敷くことが分かった。フロントと現場の足並みがそろわなかった過去の反省を踏まえ、当面はGM制度を敷かないことを決定。与田新監督が仕事をしやすい環境にしていく。

近年、GMに近い立場で手腕を発揮してきた森監督はフロント入りするが、仕事の範囲は編成のみに限定される。広い人脈を持ち、現場をよく知るため今回のコーチ人事には関わるが、球団運営とは距離を置くことになりそうだ。

また球団はこの日、名古屋市内で臨時取締役会を開き、監督交代が正式に報告された。今日13日の阪神戦(ナゴヤドーム)で森監督が最後の指揮を執り、ファンに退任のあいさつを行う。新監督は週明けに正式発表。与田体制は25日のドラフト会議から本格始動する。