中日与田剛新監督(52)が15日、名古屋市内で就任会見を行った。3年契約の年俸1億円(推定)で背番号は未定。チームは2リーグ制以降球団最長となる6年連続でBクラスに低迷するが、かつての剛球ストッパーは強気だった。「優勝、それだけを目指して戦っていく。不安もあるが自分の力を出し尽くしたい」「驚かせるチームを作りたい」と力強く言い切った。

89年ドラフト1位で中日入りした。1年目で当時の星野仙一監督に守護神に抜てきされ、31セーブで最優秀救援投手と新人王を獲得した。引退後の15年オフには星野氏に招聘(しょうへい)されて楽天投手コーチに就任した。恩師について「選手が最優先。とにかくじっくり見ろとおっしゃっていた」と回想し「選手の満足度を1つずつ認めてあげることを考えたい」と言った。23年ぶりの古巣はほとんどが知らない選手だが、星野氏のように対話を重視しながらチーム作りを進める考えだ。

くしくもこの日、91年にプロ初出場した際にバッテリーを組んだ矢野氏が阪神の監督に就任することになった。「お互いヤジの応酬ですね。テル(矢野)もボクも弱みも知っている。コントロールの悪い先輩だったことも知っている。楽しみです」。星野イズムの継承者同士の対決にも思いをはせた。セ・リーグは、間違いなく熱くなる。【伊東大介】

◆与田剛(よだ・つよし)1965年(昭40)12月4日、千葉県生まれ。木更津中央(現木更津総合)-亜大-NTT東京を経て89年ドラフト1位で中日入団。1年目に31セーブで最優秀救援投手、新人王。96年以降はロッテ、日本ハム、阪神と移り00年引退。09、13年WBCで侍ジャパン投手コーチ。16年から今季まで楽天コーチ。通算148試合、8勝19敗59セーブ、防御率4・58。右投げ右打ち。