Gキラーが日本シリーズへけん引だ! 広島丸佳浩外野手(29)が15日、マツダスタジアムでCSファイナルステージへ向けた調整を行った。7日の全日程終了から打撃フォームを微修正。3連覇に貢献した打棒に磨きをかけている。主力で最も高い打率を残す巨人相手に、打線をけん引する働きが期待される。

1球1球、確かめるように、丸はバットを振った。明日17日から始まるCSファイナルステージの相手が巨人に決まっても、自分自身と向き合いながら、打撃に磨きをかけた。

「いい試合の入り方が出来ていたから、優勝ができたと思う。それをCSでもやっていくだけ。ただ、シーズンと同じように入っていけたらいいけど、シーズンと同じようにはいかない」

平常心を強調しながらも、短期決戦で平常心でいる難しさも知っている。一昨年のCSファイナルステージDeNA戦では13打数2安打、打率1割5分4厘。昨年の同DeNA戦も16打数4安打、打率2割5分だった。一昨年の日本シリーズでは打率3割3分3厘を残したが、CSにはいい記憶がない。

今年の調整期間は、修正に重きを置いた。特に始動時にグリップの位置を下げる「ヒッチ」の動きを確認。「(動きが)浅いと上体だけで前に行ってしまう。そこを意識している」。持ち前の打棒で3連覇に大きく貢献。MVP級の働きだった。ただ、9月以降は131打席で103打数24安打、打率2割3分3厘と低調なままシーズンを終えた。「(シーズン終盤の)内容を見ても良くなかったですし、自分の中で良いバランスを探している」。ファイナルステージまで時間が空いたことは、丸にとってはプラスだった。

巨人相手に、今季広島打線で最も高打率(3割6分)をマークしているのが、丸だ。丸自身、セ・リーグ6球団で最も高い対戦打率をマークする“Gキラー”である。それでも「やることは変わらない」と冷静。自分の打撃と向き合いながら、初戦に照準を合わせる。「あとは結果がすべて。ああだこうだ言っていられない」。言い訳をするつもりなどない。それだけの準備はやってきた。あとは黙って、バットで答えを出すのみだ。【前原淳】