オリックスを自由契約になった金子千尋投手(35)の日本ハム入りが10日、正式に決まり、札幌市内のホテルで入団会見を行った。1年契約で年俸は推定1億5000万円プラス出来高払い。背番号はオリックス時代と同じ「19」に決まった。自身を「35歳のルーキー」と称した14年沢村賞右腕は、登録名を「金子弌大(ちひろ)」とすることを発表し、心機一転、新天地での復活を誓った。

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担当時代に接し、神経質で繊細という印象だった。集中するため登板前日取材はNG。ただし登板後はかなり口数が増える。そして自分に厳しい。07年からオフに断食(ファスティング)を続けていた。また普段から体に悪いと思った食材は、一切口にしないそうだ。同学年で仲がいい近藤(現ヤクルト)も倣ったが「僕は無理でした」とストイックさに驚いていた。

自分から積極的にアドバイスするタイプではないが「聞かれれば答える」というスタンスで、後輩に大きな影響を与えていた。投手だけにとどまらず、T-岡田は体の使い方の話で「片方の足で立った時に、普通は母指球(親指の付け根付近)を意識するが、それより薬指に近いイメージがいい」とウエート室での助言を鮮明に覚えていた。

体の使い方で言えば大柄ではないが、全身をうまく使う能力にたけているため、ゴルフもかなりの腕前で、チーム内で飛ばし屋だった。そして投球に関しては独特の理論を持つ。自分のいい球を投げるのではなく、打者目線に立って打ちにくい球を投げることを理想としている。ちなみにメガネはダテ。独特の髪形は「直毛なのでパーマに憧れがある」とのことだった。【15~17年オリックス担当 大池和幸】