山賊打線の陰に、このバッテリーあり! 西武多和田真三郎投手(25)と森友哉捕手(23)が12日、都内ホテルで最優秀バッテリー賞の表彰を受けた。16勝で最多勝の多和田は今季26試合すべてで森とバッテリーを組んだ。テンポの良さを心掛けた森のリードが、打線を着火。今季規定投球回に達した先発投手の中で、多和田への平均援護点7・03点は12球団断トツだった。

この2人がいなければ、山賊打線は生まれなかったかも知れない。多和田と組む時に何を気を付けていたか聞かれ、森は即答した。

森 まずはテンポを上げることですね。コントロールがいい。ストライクをぽんぽん取れる時は、すごく抑えているイメージ。序盤はテンポを上げようと心掛けています。打たれるまではリズム良く。打たれたら一息いれる。

2人でつかんだバッテリー賞だ。多和田は「自分よりデータを研究してくれている。任せて投げるだけ」と後輩を持ち上げたが、今季無走者時の投球間隔11秒1はパ・リーグ最短。スピードアップ賞にも輝いた。特にテンポは意識していないと言うが、要求に応えるだけの技量があった。

好テンポは打線に波及した。多和田への平均援護点7・03点は規定投球回到達者で断トツ。16勝へとつながった。実感するのが、他でもない森だ。多和田と組んだ26試合は打率3割9分4厘、5本塁打、23打点と打ちまくった。好影響を問われ「あると思います。守備のテンポは大事。点を取られても、野手が逆転してくれることがあった」と答えた。最多勝の裏には、好テンポ→打線にリズム→大量援護→白星→次も好テンポ、の循環があった。

裏話も披露された。

森 練習終わってロッカーに『多和田さん、今日はこう攻めましょう』と話に行っても、マンガ読んで、風呂に入ってる。『OK』ってだけです。

多和田 信頼してるんで。

毒舌の森に、のんびりした多和田。やりとりに、会見は笑いに包まれた。2人の表情が変わったのは、来季の話に移った時だ。

森 最少失点に抑えたい。バッテリーで勝てたという試合を、1試合でも多くしたい。

多和田 その通り。1点でも少なく。防御率を良くして、試合を作りたい。

ピッタリ息をそろえ、意気込んだ。【古川真弥】