中日京田陽太内野手(24)がゴールデングラブ賞の鍵にレジェンド松坂を挙げた。ナゴヤ球場での練習を終えて「僕はセンターラインのショート。守りが重要。首位打者や最多安打より、ゴールデングラブ賞が欲しい」と、昨年の新人王に続く2つ目のタイトルへ意欲を示した。今季は奈良原内野手守備走塁コーチと研究を重ね、打者や投球内容によって守備位置を変え、「多いと思っていた」失策数を昨年の14から6まで激減させる結果につなげた。

ただ、6失策にも不満点があった。「6個のうち2つが、松坂さんが投げた試合なんです。日本中が注目する試合だったかもしれない」。4月5日の巨人戦(ナゴヤドーム)。松坂の中日初登板の3回に悪送球し、6月8日のソフトバンク戦(同)の6回にも記録した。緊張感の影響を感じた一方、収穫もあった。「松坂さんや、吉見さんのようにコントロールが良く、特殊球を打たせる人は、ゴロの打球の回転も違う」。復活した2人から受けた経験が、今季セ・リーグ最高の守備率9割9分1厘に生かされた。ちなみに97年鳥越裕介(中日、現ロッテ・ヘッドコーチ)が記録した日本記録9割9分7厘を上回るには、失策を5つ減らす必要があった。

来季は背番号が「51」から「1」に変わり、ドラフト1位ルーキー根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)との遊撃争いも注目される。今オフの京田はイベント出演を控え、ナゴヤ球場で練習に励んでいる。年末年始も母校日大で練習する予定だ。松坂は来季20試合以上の先発を目標にしており、オフ返上練習が緊張感を上回れば、ゴールデングラブ賞も現実味を帯びてくる。【伊東大介】