清宮が打率2割、7本塁打で1年目を終えた。2リーグ制後、高卒新人で7本塁打以上は93年松井(巨人=11本)以来10人目。同じ早実からプロ入りの59年王(巨人)も7本だったが、本塁打率は王の27・57に対し清宮は22・86。7本以上打った10人の中で清宮の本塁打率は5番目に高い。先制2本、勝ち越し1本、逆転1本と、7本のうち4本が肩書付きで、殊勲本塁打が4本以上の高卒新人も93年松井(先制3本、同点1本)以来。本塁打率と殊勲本塁打数は王(先制1本、同点1本)を上回った。

随所で大物ぶりを見せた。高卒新人では初めてデビュー戦から出場7試合連続安打を記録し、8月25日楽天戦では本塁打を含む3安打、翌日の楽天戦も3安打を放った。高卒新人で1発含む猛打賞は93年9月2日松井以来となり、2試合連続猛打賞は57年6月9、12日と同23、25日の並木(阪神)88年6月2、4日立浪(中日)以来3人目。パ・リーグの高卒新人では初めて2試合連続猛打賞を達成した。

19歳で申告敬遠も経験。9月17日オリックス戦は2死二塁、同29日楽天戦では1死二塁の場面で歩かされた。高卒新人で敬遠されたのは12年10月7日高城(DeNA)以来だが、高城は次の打者が投手の加賀美。ドラフト制後(66年以降)の高卒新人で敬遠されたのは5人(松井は敬遠0)だけで、そのうち次の打者が野手は86年清原(西武)と清宮の2人しかいない。残した数字以上に、対戦相手は警戒していた。

清宮は180打席で60三振を喫し、三振率が3割3分3厘。2ストライク後は111打席のうち半分以上が三振だったが、0、1ストライクの打席が69しかないのも問題。積極性が足りなかった。2年目の王は三振率を3割2分4厘から2割1厘に下げて17本、松井も2年目は三振率を1割台にして20本打った。来季は積極性を出し、2人のように三振率を下げて本塁打を増やせるか。【伊藤友一】