打率2割8分に上方修正だ! ソフトバンク甲斐拓也捕手(26)が11日、沖縄県内で自主トレを公開した。甲斐にとって初めての沖縄トレ。2日目のこの日はあいにくの雨だったが、甲斐は室内でのフリー打撃で気持ちよく打球を飛ばした。

この自主トレからグリップがなだらかなタイカッブ型からT字へバットを変えた。きっかけは昨秋の日米野球だった。「森友哉のバットを使ってみてすごくよかった。そのバットも今作ってもらっています」。西武の強打の捕手が使うバットをヒントにした。現在、森モデルも製作中だ。重さ880グラム、長さ33・5インチ(約85センチ)はこれまでと変わらないが、グリップが細くなり、重心がヘッド寄りになった。T字グリップは、16年まで2軍でも使用していた。

昨季終盤に川島からアドバイスを受けた。左足を開き、左目だけでなく両目で球を見て、中堅方向へ打ち返す。「いい感覚を無意識にできるように」と振り込んで染みこませる。昨季は打率2割1分3厘。昨年12月には今季の目標として2割5分を掲げていたが、新バットと打撃フォームの手応えや契約交渉で球団からも打撃面での貢献を求められたことから「打率2割8分は打ちたい。守っていて(広島)会沢さんや(西武)森のような打てる捕手は嫌」と目標の数字を高めた。

正月のテレビ番組「とんねるずのスポーツ王は俺だ!」の「リアル野球BAN」に初出演。スタンドへの本塁打を含む8打数7安打と大当たり。柳田、ヤクルト山田ら以上の打撃を見せた。「あの時はまだ新しいバットではないです。内野ゴロでも(転がった場所で)安打になりますから」と笑ったが、打撃開眼の予感も十分。スタメン100試合以上で打率2割8分超えなら05年城島(打率3割9厘)以来14年ぶり。打てる甲斐ががっちり不動の正捕手となる。【石橋隆雄】

 

「甲斐キャノン」も精度アップさせる。甲斐が送球ミスを減らすことを誓った。正捕手をつかんだ17年は失策1だったが、昨年は8に増えた。「(盗塁)阻止率の数字よりも、正確にどれだけ投げられるか。失策0は可能だと思う。無理ではない」と、より確実な送球を心がけ、シーズン失策0、捕逸0(昨季4)を目指す。「高谷さんもいますし、ライバルと戦ってポジションを取りたい」。自信のある守りも進化させる。