阪神藤浪晋太郎投手(24)が矢野阪神の「開幕投手」を視野に入れた。14日に兵庫・西宮市の鳴尾浜球場で早くも今年2度目の投球練習を行った。この時期では異例の急ピッチ調整。春季キャンプでは、今季初実戦となる2月11日の紅白戦登板に照準を合わせた。

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2日前と同じように、藤浪がさっそうとブルペンに現れた。42球を投げた12日に続く、年明け2度目のブルペン入り。直球にカットボールとカーブも交えて、56球を投げた。「(変化球は)遊びの範囲です。早く仕上げたいからとか、そういうのではない」と説明したが、この時期に2度のブルペン入りはルーキーイヤーの13年を除けば、異例のハイペースだ。

キャンプでも初日から投げ込んでいく考えだ。「投手コーチと話しながらですが、キャンプ初日にブルペンに入れるようにしていくので」と今後の見通しを明かした。順調にいけば、その先に早期のマウンドが見えてくる。矢野阪神は19年初実戦として、2月11日に紅白戦を予定している。藤浪は「(ブルペンに)初日に入れれば、そのへんには仕上げられると思う」と初登板を視野に入れた。昨年も2月7日の紅白戦で投げたが、矢野阪神でも「開幕戦」でマウンドに立つ可能性が浮上した。

新年最初のブルペンでは大半をワインドアップで投球したが、この日はノーワインドアップやセットポジションからの投球も試した。タイミングの最も合う理想のフォームへ、試しながら形を作っていく最中だ。 矢野燿大監督(50)は開幕投手の白紙を強調し、キャンプでの激しい競争を期待する。それでも藤浪は「開幕投手という思いは特にない。全く頭にないです。そういう立場じゃないので」と言う。昨季は5勝にとどまり、ここ3年間は不振にあえいだ。藤浪は自らの足もとを見つめ、まずは開幕ローテーション入りをアピールしていく。

今後は、コンディションを見ながらブルペン入りを重ねていく予定。完全復活への道のりを着実に歩んでいく。【磯綾乃】