西武ドラフト1位松本航投手(22=日体大)が18日、新人合同自主トレが始まってから初めてブルペン入りした。捕手を立たせて14球。文字通り「剛球」と呼ぶにふさわしい力強いボールを、次々と投げ込んだ。ブルペンのある西武第2球場室内練習場には、大きな捕球音が鳴り響いた。

練習後には「まだ全然出来上がってないですけど、初めてにしては良かったと思います。回転を意識して投げました」と納得の表情。ボールの回転以外には、平地でのキャッチボールが続いていたためマウンドの傾斜の感覚を再確認。さらに新調したスパイクの履き心地もチェックしたという。

そのスパイクは、日体大時代から履いている「ビモロシューズ」のもの。マリナーズ・イチロー外野手が愛用し、同外野手も通うジム「ワールドウィング」代表・小山裕史氏が「初動負荷理論」に基づいて開発したものだ。

松本航はスパイクを履く以外にも、日体大に設置されている上半身用の初動負荷トレーニング専用マシンを毎日使っていたという。同マシンは動作開始時に筋肉が緩んだ状態を作り出す。そこから適切な負荷を筋肉に与えながら運動動作を繰り返すことで、緊張を伴わない自然な体の動きを身に付けることができるという。松本航は「肩の可動域の確保とか血液循環を良くしたりする効果があったと思います。もともと可動域は広い方だと思うので、それをなくさないように意識して、毎日やるようにしていました」と話した。

新人合同自主トレが始まって以来、他球団のルーキーたちが次々にブルペン入りするのを見聞きしてきた。この日が初ブルペンとなった松本航は「(新聞の)記事とか見ていてすごいなと思ってました。ロッテに行った(同じ日体大の)東妻も投げていて、すごいなと。僕は触発されないように、焦らないようにしています」とあくまでマイペースだ。

17日にキャンプA班(1軍)スタートが決まった。「新人合同自主トレ中に座らせて投げられるようにしたいです。僕は全然焦らずやっているんで問題ないかなと。2月のキャンプの頭くらいにしっかり投げ込めるようにしたいと思っています」と照準を定めた。【千葉修宏】