矢野阪神は大所帯キャンプ!! 阪神矢野燿大監督(50)が23日、西宮市内の鳴尾浜球場で合同コーチ会議に臨み、2月の沖縄・宜野座キャンプメンバーに総勢43人を選んだ。近年では12年の44人に匹敵する大人数だ。特に若手投手を積極的に抜てきし、バトルを激化させる意図を込めた。競争をあおる矢野流で、01年以来17年ぶり最下位に沈んだ昨季の屈辱から再出発を期す。

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宜野座に送り込む43人の選抜に矢野イズムが込められていた。近年では異例の大所帯になり、12年の44人に匹敵する。矢野監督は意図をはっきり示した。「去年ファームで見て、使えそうやなという選手もたくさんいた。モチベーションが上がってるところで、いい競争をすることを考えたときに、ちょっと人数が増えてしまった」。指揮官自ら競争をあおりにあおった。

昨季は2軍監督として若手の潜在能力の高さを痛感した。高卒3年目の浜地、プロ5年目の守屋を初抜てき。いずれも1軍のポジションを思い描ける好素材と判断する。2軍も実戦を行うため、最低限の人数が必要な事情があるが、矢野監督の意向であえて1軍メンバーを増加。金本前監督が率いた16年からの3年間はいずれも40人で、投手陣は19、19、20人だった。今年は最近10年間で最多タイの22人の投手を選出し、1軍枠を競わせたい思惑だ。

この日の会議で、新たに2月7日の紅白戦を決定した。当初はシート打撃の方向だったが試合に変更。激しく火花を散らす今季初実戦となる。矢野監督は「投手も紅白をやれた方が、当たり前だけど試合に近くていい」と説明。バトルの激化を心待ちにしている。

「グラウンド上では『いい人』では困る。グラウンドに出たときには相手から嫌がられて、同じユニホームを着てもライバルはたくさんいると思う。その中でどう勝っていってやろうかという気持ちや闘志とかが出てくると楽しみ」

レギュラーが決まっていないポジションが多い。主力は福留、糸井、藤川、能見ら限られており、群雄割拠の定位置争いになる。指揮官は「キャンプの目標として、どんどん競争してもらって、俺が出てやるっていうね」と続け、テレビ局にキャンプのスローガンを問われると、間髪入れず言い切った。「競争」。意地がぶつかり合う沖縄の1カ月になる。【酒井俊作】