先生も頑張るよ!西武のドラフト1位、松本航投手(22=日体大)が26日、初視察した辻監督の前でブルペンに入った。西武第2で直球主体に25球。「監督を意識しないようにしましたが、アピールしたい思いがちょっと出たかもしれません」。1軍キャンプも決まり、少しの緊張感に最速155キロの腕が鳴った。

張り合いがある。前日に母校・明石商(兵庫)の3年ぶりのセンバツ出場が決定。5歳以上離れた部員たちに「教え子なので。率直にうれしいし励みになる」と並々ならぬ愛着がある。昨年11月半ばから約3週間、教育実習で赴任したばかり。保健体育の授業を受け持ちながら、放課後は毎日、野球部の練習に顔を出した。投手陣には大学の練習法など手ほどきもした。

負けたら終わりのトーナメントを主戦場とする球児の1球、1試合にかける気迫は胸を打った。「能力は他のチームに決して負けない。しっかり1勝ずつ挙げる姿を見られたら」と送るエールは自身に重なる。センバツのころには、プロも開幕直前だ。「僕も学生の刺激になれるように」。かつて同じ学舎で白球を追った後輩たちと励まし、励まされながら春に挑む。【鎌田良美】