日本ハム栗山英樹監督(57)が新加入選手の人間性に迫る。チームとともに米アリゾナ入りした指揮官は、現地滞在中に新加入の金子弌大(ちひろ)投手(35)や王柏融(ワン・ボーロン)外野手(26)らの「人となり」を把握する考え。実績は申し分ないだけに、野球以外の部分も徹底的に研究し、能力を最大限に引き出していく。

約10時間のフライトを終え、1年ぶりにスコッツデールへ帰ってきた。栗山監督は「結果を出さなきゃいけない責任が、すごくある」と表情を引き締めた。期待の新戦力とともにチャーター機に乗って、やってきた。金子、王柏融、ヤクルトからトレード加入の秋吉と谷内。近日中には新外国人選手もキャンプインに合わせて合流する。まずは「早く慣れてほしいし、ケガのないように」と願った。

現地滞在中に早速、手を打っていく構えだ。「(金子)チヒロにしても(ワン)ボーロンにしても、みんな絶対に力が入るし、一生懸命になるに決まっている」。首脳陣やスタッフも含めて新戦力は注意深く動向を見守る。その中で「チヒロにも『いろんな話をしていくからね』と言った」と適切なタイミングを見計らって、コミュニケーションを重ねていくつもりだ。

言葉を交わすことで、それぞれの人間性も垣間見える。「コミュニケーションを取りすぎるのがいいのかということもある」と、やみくもに声をかけることが一概に正しいとは限らない。各選手がどんなタイプなのか、スポーツキャスター時代に培った“取材力”もフル稼働で把握して「持っている能力を引き出す環境を作っていく」ことが先決。各自がプレーしやすい環境を整えることで、実績に見合った、ひいては実績以上の結果をもたらしてくれることを期待している。

キャンプイン前日には、選手へ「ポジションは自分で取って下さいとお願いする」とレギュラー白紙を強調する予定だ。レアード移籍で空いた三塁争奪戦など激しい競争が見込まれ、2軍の沖縄・国頭からスタートするメンバーも含めて全員にチャンスがある状況。栗山監督は新戦力をチームに溶け込ませ、現有戦力との競争をあおり、そして融合を図る。3年ぶりの日本一奪回へ重要な約1カ月間となる。【スコッツデール(米アリゾナ州)28日(日本時間29日)=木下大輔、田中彩友美】