コンディション不良で2軍調整となっていた楽天則本昂大投手(28)が11日に都内で右肘のクリーニング手術を受ける。8日に球団が発表した。

全治などは術後に明らかとなる見込みだが、一般的なケースと照らし合わせれば、前半戦の復帰は絶望的とみられる。2枚看板を形成する岸孝之投手(34)は阪神とのオープン戦で今季2度目の実戦マウンドへ上がり、5回2安打1失点。移籍後初の開幕投手へ順調な調整を重ねる右腕を中心に、総力を結集してエース不在をカバーする。

   ◇   ◇   ◇

則本昂は今季初実戦として先発を予定していた2月23日の巨人とのオープン戦を首の寝違えで回避し、別メニューで調整を続け、今月に入って都内の病院で精密検査を受けたという。石井GMは「肘の部分に慢性的な損傷があった。そこ(損傷)が中心になって、体のバランスを悪くするんじゃないかという話だった。慢性的なものだけど、ここで(手術を)やっておいた方がいいんじゃないかという判断。チームにとっては痛いが、本人にとってメンテナンスの意味合いがある手術になる」と強調した。

入団から6年連続2ケタ勝利をマーク。その間、最も少なかった13年シーズンでも170イニングを投げている。昨季は右肘の違和感を訴えたこともあった。平石監督は「今後のことも考えて、ここでスッキリしてもらいたい。替えはいないけど、靱帯(じんたい)の移植とかではないし、ノリ(則本昂)の今後の野球人生、我々にとって前向きな手術」と、ねぎらいの気持ちを込めて言った。伊藤1軍投手チーフコーチは「若い投手が出てこないと。ピンチのように(切羽詰まって)投げているやつもいるけど、チャンスなんだから」とローテ候補たちにハッパを掛ける。

全治について、石井GMは「クリーニング手術も何種類かあり、それによって(復帰時期に)1カ月前後のズレがある。手術後、詳細をお伝えできれば」と話すにとどめた。平石監督は「本当にきついけど、野手も含めて何とか粘って、万全になったノリが戻ってきた時、チームが加速していけるように」と覚悟をにじませた。【亀山泰宏】