楽天ドラフト1位の辰己涼介外野手(22=立命大)が、開幕スタメンへ最後の追い込みをかける。

3回に中日山井から先制適時打。5回にも遊撃への内野安打でマルチ安打として「自分のポイントで打てている。振る球も間違っていない。あとは、ミスショットするかしないか」と手応え十分の言葉を並べた。

前回スタメンの21日ソフトバンク戦は、1打席でオコエと交代。首脳陣からは1軍の最前線で戦うには物足りなく映った。「自分で下げてしまった評価。取り返して上げるしかない」。先制打の場面は中堅右への当たりにスピードを一切緩めず、二塁打に。4回の守備ではフェンス直撃の打球にわずかに届かず「投手を助けたかった。あれは本当に悔しい」。内容も意識でも隙を見せなかった。

右翼を争うオコエが前日に実戦4発目。新バットを探しているライバルに、辰己は自らのバットをプレゼントするなど、高め合いながらしのぎを削る。「開幕スタメンだろうと何だろうと、アピールを続けてチームの核になれるように」。楽天の未来を担う自覚が備わってきた。【亀山泰宏】