DeNAからトレードで楽天に移籍した熊原健人投手(25)が27日、楽天生命パークで入団会見を行い、強い地元愛をアピールした。「地元に帰って来られたことに特別な思いがあります」。宮城県角田市出身で、小6だった05年に楽天が創設し、大学2年の13年に日本一となった。「日本シリーズはテレビで見てすごい感動した。自分もみんなに感動を与えられれば」と意気込みを口にした。

仙台6大学リーグで2度のMVP、3年秋にはノーヒットノーランを達成しドラフト2位でDeNAに入団。両手を上げながら左足を大きく振り上げる豪快なフォームは実家が神社であることから、「神主投法」と呼ばれた。しかし、慎重になりすぎ自滅するパターンで制球難に陥った。「横浜での失敗を生かし、まずはしっかり自分から攻めていけるようにしたい」と新天地で本来の迫力ある投球を取り戻すつもりだ。

26日は母校仙台大が楽天の2軍と練習試合を行っていた。同大の森本吉謙監督(44)が楽天関係者に「熊原に何かあったらよろしくお願いします」と何も知らずにあいさつ。そのわずか1時間後に電撃移籍とあって「監督に連絡したら笑っていました」とまさかの縁に笑顔を見せた。2軍監督時代に対戦した楽天平石洋介監督(38)も「先発に食い込んでほしい」と期待する。本人ももちろんそのつもりだ。「先発として5、6枚目をしっかり争って、少しでもチームに貢献したい」。背番号59で再スタートを切る。【野上伸悟】