ソフトバンクの高橋礼投手(23)が西武打線を6回1失点に抑え、プロ初勝利を挙げた。17年ドラフト2位の右腕は、188センチの長身ながらサブマリンとして、開幕ローテーション入りをつかんだ。通算284勝で、球界最高のサブマリンと言われる日刊スポーツ評論家の山田久志氏が激励の言葉をおくった。

  ◇    ◇    ◇

高橋礼のボールはまだまだ速くなるよ。大柄な体格は下手投げにそぐわないのでは? という見方もあるようだが、それは当てはまらない。

ちょっと古い話になるが、1963年(昭38)に巨人に入団した「メリーちゃん」の愛称だった渡辺秀武さんは、高身長で、南海ホークスの名投手、杉浦忠さんをまねてアンダースローに転向し、大成した。

手足の長いほうがかえって、うまく体を使う投げ方を覚えれば球速が出る。高橋礼をみていると、まだ少し移動が早いね。いわゆる専門用語でいう「ほどける」のが早いってやつだ。

わたしが現役だった阪急ブレーブス時代のビデオを参考にしてくれていると人づてに聞いた。もしまた機会があれば、次の点に気をつけながらみてほしい。

下手投げは、いかに強くフィニッシュするか、そこにどうやって力をもっていくかの勝負になる。直球も、カーブ、シンカーでも、同じように強く振って、そしてボールを離す瞬間に最大限のパワーを伝える。

始動からフィニッシュまで、恵まれた体格を生かしながら投げてほしい。きっとおれより速い球を投げることができる。期待しています。