楽天の新4番島内宏明外野手(29)が、雪の本拠地開幕戦で熱い存在感を示した。

0-0で迎えた4回裏、先頭の茂木栄五郎内野手(25)が左二塁打で出塁し、浅村栄斗内野手(28)の二ゴロで1死三塁とした場面。日本ハムバーベイト(26)のフォークを左前にしぶとく落とした。今季初打点となる先制適時打に、「茂木と浅村がつないでくれたので、何とかかえそうと思っていた」と淡々と振り返った。

開幕から4番に座るが、本人に実感、自覚はない。試合後に群がる報道陣にまずは「そろそろ4番じゃなくなりますから」と自虐モード。続けて「いまだに何で自分が4番に入っているのか正直分からないですよ。拷問としか思えない」と笑った。平石洋介監督(38)からは「普段通りにやってくれ」と言われており、あくまでもつなぎを最優先にしている。「自分の後のウィーラーも調子いいので、いい形でつなげれば」。

一方で、職人らしく自分の技術はしっかり分析している。「まだ打つべくして打っていない。たまたまというか。内容をもっとよくしないと」と納得はしていない。それでも「気持ち的には今季初めて2本打てたのでホッとしている。野球は気持ちの部分が大きいですから」と、無欲の4番はさらなる貢献を予感させた。【野上伸悟】