戦国・東都で花を咲かせてみせる。東都大学リーグは8日、神宮球場で1部が開幕する。昨秋に4連覇を逃した東洋大は、プロ注目の「打てる捕手」佐藤都志也主将(4年=聖光学院)が引っ張る。埼玉・川越グラウンドで前日練習を終えると、中大との開幕戦を前に「周りの予想を裏切りたい。楽しみです」と目を輝かせた。

東洋は投手力が弱い-。そんな下馬評を覆す時が来た。昨年は、上茶谷(DeNA1位)梅津(中日2位)甲斐野(ソフトバンク1位)の150キロ右腕トリオを擁し、圧倒的な投手力を誇った。佐藤にとって、ドラフト上位でプロ入りした先輩たちと組んだ経験は「勉強になりました」と貴重だった。同時に「正直、受けているだけ。サインに首を振られても、自分の考えを押せなかった」と、未熟さを突きつけられた。

今度は投手陣を引っ張る番だ。「去年の自分を反面教師にしてます」と打ち明けた。毎試合、リードを見返し、反省を続けた。今なら、先輩たちに首を振られても押し通せる自信がついた。今年は細かい継投も増えそう。捕手の腕の見せどころだ。「去年は自分で責任を取れなかった。今年は、投手陣に『打たれたら俺のせいにしろ』と言ってます」と大きく構えている。

杉本監督も「佐藤には捕手として先行投資しました」と、去年の経験に期待する。グラウンド脇にある満開の桜の下で、扇の要は言った。「ラストイヤー。花を咲かせます!」。【古川真弥】