ヤクルト打線にブイブイ言わせた。巨人山口俊投手(31)が8回1安打無失点で、リーグトップの4勝目を挙げた。

6回1死に上田の投ゴロをはじき、初安打を許した。開幕4連勝ながら2年連続のノーヒットノーランを逃し「捕れたボールだったのでちょっと悔しい」と苦笑い。「1人1人抑えることができた」と納得顔でフラッシュを浴びた。

九州男児らしくどっしりとした風貌に似合わず、ひそかな悩みがある。「そろそろ今年は『弱気』を卒業したいですね」。150キロを超える直球とフォークを武器に13年間プロの世界で戦い抜いてきた。それでも「何かを信用して突き詰めていかないと」と自問した。前回登板の16日広島戦では6四球。「どこかで打たれちゃいけないという気持ちの部分が大きい」と心の乱れが結果に出た。

悩み解決のヒントは自身の中にあった。昭和生まれの右腕は今年で32歳を迎えるが「今も気持ちは20歳のまま。若い子にも負けたくない。たまに話についていけない時もあるけど(笑い)」と初心を忘れない。がむしゃらに腕を振ったあの頃のように、この日は力強い直球で迷いなく押し切った。次回は中5日で29日DeNA戦(東京ドーム)に先発するため、完封目前も101球で降板。「また次もいい調整をして頑張ります」と頼もしく次戦を見据えた。【桑原幹久】