巨人が超・速攻でヤクルトとの首位攻防の初戦を圧勝した。

1回に1番坂本勇人内野手(30)がヤクルト原の初球を中越え二塁打し、開幕から20試合連続出塁でチャンスメーク。丸の進塁打とビヤヌエバの右犠飛で、試合開始から5球で先制した。4回までに3点リードを奪うと、終盤に6得点をダメ押し。9得点を量産した。先発山口俊投手(31)も8回無失点で4勝目をマーク。3試合連続の無失点勝ちと投打がかみ合い、首位固めに入る。

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狙い澄まして…バーン! とすっ飛ばした。坂本勇がプレーボールと同時に優勢に持ち込んだ。ヤクルト原の142キロど真ん中の直球をレベルスイングではじき返した。「1番になってから、なかなか初球を仕留められなかった。意識して狙っていった。ツーベースになったのが良かった」と薄暮のダイヤモンドへと爽快に駆けだした。丸の二ゴロで三塁へ進み、ビヤヌエバの右犠飛で悠々と生還した。

リードオフマンの主将が文字通り背中で示し続けている。2番で開幕し、吉川尚の離脱をうけ、16日広島戦から1番に入った。「何番でも一緒。みんなでつないでという意識は変わらない」。この日を含め、6試合連続で1番に入り、5勝1敗と上げ潮の原動力を担っている。28安打はリーグトップで打率3割5分9厘をキープ。丸、ビヤヌエバ、岡本と続く強力打線の“顔”を堂々と張る。

プロ13年目、主将5年目のキャリアを積み重ね、周りの景色も様変わりした。ベンチ入りメンバーの生え抜きで年上は阿部、亀井の2人だけ。12年の最後の日本一を知るのはごくわずか。4安打猛打賞の小林、プロ初安打の増田大、9回6号ソロを放った丸も日本一を知らない。当時、必死に追いかけた阿部、村田の背中から「レギュラーが泥臭く、熱くプレーする姿はチーム全体に広がる」と学んだ。

2位ヤクルトとの首位攻防、第1戦は9得点で圧勝に持ち込んだ。好投した山口には登板の数日前に「俊さんの四球は全然大丈夫。バーン、バーンっていくからテンポが悪いとは感じませんよ。気にしないでいつも通りいきましょう」と、さりげなく背中を押した。打線も投打もつなぐ坂本勇が意気揚々と首位巨人をけん引する。【為田聡史】

▽巨人原監督(1回の坂本勇の初球二塁打について)「あれでノーヒットで点数が取れたわけだからね。最初のツーベースでね」