阪神打線が終盤の猛追で劇的なサヨナラ勝ちを呼び込んだ。6回に代打北條史也内野手(24)の今季初タイムリーで1点差に詰め寄り、7回に4番大山悠輔内野手(24)が同点適時打。しっかりチャンスをものにし、最後は接戦を制した。

6回2死一、三塁、石田の2球目のチェンジアップを、北條は泳ぎながらも左前に運んだ。「打てて良かったです。久しぶりだったんで、何も考えずに行きました」。4試合ぶりの出場で4月18日ヤクルト戦(神宮)以来となる安打。1点差とし逆転の望みをつなぐ一打だった。

春季キャンプでは実戦打率5割2分4厘。MVPにも選ばれ、一時は遊撃手として開幕スタメンの最有力に挙げられた。しかしオープン戦に入ると打率1割8分8厘と落ち込み、開幕戦の遊撃を勝ち取ったのはルーキーの木浪だった。ここまで先発は7試合。代打で結果を残したことで、今後は出場機会も増えそうだ。

各打順に座る1人1人が仕事を果たした。6番梅野は6回1死三塁で、フルカウントから2点差とする中前適時打。「1点をかえしたら相手バッテリーもいやだと思う。なんとか球場の雰囲気を変えるというのが出来て、そういうことが、こういう結果につながったと思う」。この回の先頭4番大山は左越え二塁打で好機を演出し、7回には1死二塁から同点の中前適時打を放った。

矢野監督もチーム一丸の勝利を心から喜んだ。「たくさんミスが出たからこそ、勝ちたいとすごく思った。これを追いついて追い越せた。本当に1人の力では勝てない」。12連戦をここまで7勝2敗とし、勝ち越しが決定。今季チーム最長4時間3分をかけ、諦めずに手にした1勝を弾みにラストスパートをかける。【磯綾乃】