ヤクルトが、17年7月以来の10連敗を喫した。追う展開を強いられた本拠地の中日戦は、中盤以降に突き放されての完敗。青木、山田哲にソロは出たが打線がつながらず、内野陣が2失策と攻守に元気がない。借金は5となり、中日と入れ替わり5位に転落。11連勝の広島とは7・5ゲーム差に開いた。交流戦を控え、生き残りへ最初の正念場を迎えた。

10連敗を受け止めて前に進むしかない。小川監督は「うまくいかないことばかりで、切り替えて、また明日頑張るしかない」。青木は「ぶれない気持ちが必要。なんとかブチ破りたい」。ヤクルトに踏ん張りどころが訪れた。

8連敗で神宮に戻ってきた24日。青木は全選手を集めた。「みんな落ち込んでいてマイナスに考えてしまう。どう打破してきたのか話してもらった」。石川、五十嵐、坂口らベテランが、苦境を乗り越えてきた経験談を語った。練習前には小川監督が「打順を変えて迷惑をかけているけど、一丸となって戦おう」と鼓舞。トンネル脱出に挑んだ。

8試合連続で先制を許したが、粘り強く戦った。青木、山田哲のソロで2度追いついた。7回には太田の2号ソロも飛び出したが、得点はその3点だけ。強力打線はつながらなかった。

攻守の波長が合わない状態が続いている。連敗スタート時には先発が崩れ、主導権を渡す試合が続いた。一方で21日からの阪神3連戦では、先発が6回自責3以内のクオリティースタートに成功するも打線が振るわず、すべて1点差負け。何より小川監督が「野球の本質から目を背けてはいけない。打ち勝つより、まずはしっかりリズムを」と強調するように、守備のミスが目立っている。

連敗中、無失策で終えたのは19日DeNA戦だけだ。24日の中日戦で2失策した村上を今季2試合目のベンチスタートとし、防御の比重を高めて打開の糸口を探った。しかし負の連鎖は止まらず、この日も2失策。連敗中の10試合で計18失策に膨らんだ。

選手層の薄さも響いている。シーズン序盤からケガ人が相次いだ。坂口とバレンティンが復帰したものの、現在も遊撃手の西浦、守護神の石山を欠く。先発石川を4回であきらめたこの日も、既に20試合以上に登板するハフ、マクガフら勝ちパターンの中継ぎを積極的に投入するも、止められなかった。借金5。「やまない雨はない」という青木の言葉を胸に、全員でぶつかる時だ。【保坂恭子】