関西学生野球は26日、春季リーグの全日程を終了。連盟はベストナインを発表した。5勝&防御率0・84と2部門トップの立命大・坂本裕哉投手(4年=福岡大大濠)で優勝に大きく貢献した最優秀選手賞、最優秀投手賞、ベストナインと総なめした。

最速148キロでプロ注目の坂本は延長12回サヨナラで勝利が決まると、9回まで力投した有村大誠投手(3年=秀岳館)と喜びを分かち合い「よう投げたな」とねぎらった。顔を紅潮させて力投した有村は坂本との2枚看板を担った。「坂本さんにほめてもらって本当にうれしい」と充実感に浸った。

2学年上の東克樹(DeNA)、1学年上の山上大輔(日本新薬)と大黒柱が毎年抜ける。今季は最速156キロの福島滉貴投手(4年=東福岡)を故障で欠いた。坂本の成長が大きなカギを握っていた。

チームを引っ張る自覚とともに、強いプロ志望も向上心を促した。冬場にスケールアップを決意し、厳しい練習を自らに課した。体重が落ちるリーグ戦の最中もプロテインを1日3回摂取、バランスのいい食事を大量にとることを心がけ、ベストの85キロを必死にキープした。自慢の直球だけでなく、安定した制球力、緩急のつけ方など勝てる投手としての要素を投げるたびに身につけた。

「この冬はドラフトに向けて、最後の追い込みだった。メンタル、技術、体力。すべて一気に成長しないとドラフトに間に合わないと思った。まだ完成はしていませんが」。毎試合チェックしてきたプロスカウトたちは昨秋からの成長に目を見張った。

「自分が投げた試合は全部勝つつもりだった。今季は野手もよく打ってくれるので、1~2点に抑えれば大丈夫と思っていた。何試合も助けられました。優勝できて本当によかった。僕だけじゃない。有村がすごく頑張って支えてくれて、リリーフ陣もみんな頑張った」。充実の表情で何度も記念撮影に収まった。