ルートインBCリーグ東地区の新潟は福島を10ー2で下した。主砲の樋口龍之介二塁手(24)が4回1死二、三塁から左越え3点本塁打を放つなど4安打5打点の大暴れ。先発の中西啓太投手(27)は8回を1失点8奪三振に抑え、8勝目をマークした。

この日、前期優勝マジック1としていた首位群馬が勝利したことで、群馬の優勝が決定。新潟は15年前期以来の優勝を逃した。

   ◇   ◇   ◇

主砲が4打数4安打5打点と大暴れし、前期ホーム最終戦を勝ちで飾った。5ー0でリードの4回1死二、三塁の場面。追加点のチャンスで、この日の3打席目が回ってきた。1打席目はスライダーを打って遊安、2打席目はカーブを打って左越え2点適時二塁打を放っていた。これまでの打席を振り返り「この場面で直球は投げてこないだろう」と樋口。変化球に狙い球を絞り打席へと入る。

勝負は初球で決まった。真ん中高めに浮いたスライダーをフルスイング。「弾道が低かったので入るか不安だった」と不安げに打球を見届けたが、打球が左翼スタンドへ飛び込むのを確認すると、ゆっくりとダイヤモンドを一周。ベンチ前でチームメイトと喜び合った。

4打席目は直球を左前へと運び、4打数4安打を記録。球場がサイクルヒットへの期待に包まれる中で回ってきた5打席目だが「意識はしていなかった」と冷静に四球を選び、この日の打席を終えた。

福島戦は今季の開幕戦でも4安打を放つなど得意とする相手だ。だがチームの勝敗への責任を持つ4番打者として、個人の成績だけを重視するわけにはいかない。開幕戦では勝利につながらず、悔しさを味わっていた。それだけにこの日は「5打点と本塁打が大きい。チームに勝ちをもたらせて良かった」と笑顔をみせた。

20日にはビジターで首位群馬戦を迎える。今季は2勝3敗と負け越しているだけに樋口は「群馬の優勝が決まったとしても、なんとしてでも勝ちたい相手」と力を込める。後半戦に向け、最終戦勝利にチーム一丸で臨んでいく。【山岸章利】