阪神高山俊外野手(26)が、“ホームグラウンド”の神宮で決勝打を放った。

1点を追う4回無死満塁。6番大山が三振に倒れるも、背番号9が流れを引き戻した。プロ初先発田川の外角低めフォークボールを振り抜き、中堅青木の頭を越えるフェンス直撃の2点適時二塁打。試合をひっくり返して、一気に勝負を決めた。神宮では明大時代に東京6大学のリーグ通算安打記録を更新する131安打を記録。プロでも1、2年目とも打率3割超と得意とする球場で輝いた。

ただ「あそこで1本出たのは良かった」としながらも「1本で終わったというのが悔しい」。5回の守備では1死三塁で右翼と二塁の間の飛球にチャージできず。二飛で三走の生還を許した。現状に満足することなく、先だけを見つめる。

開幕から外野手3人が福留、糸井、近本で固定され、出番は限られた。そんな中、福留が負傷で2軍調整中だった6月30日中日戦で先発出場した高山は、2安打を放つも8回に代走を送られて交代。「悔しいという言葉しかない」。プレーは変わった。7月6日広島戦では5回2死から出塁し、打者が投手岩崎の場面で二盗、三盗を連続で決め、同27日巨人戦では、延長10回に抜ければサヨナラ負けの窮地でスーパーキャッチ。スタメン奪取へ走攻守の全てでアピールへ「意識が高くなっているのは事実」と口にする。

矢野監督は「逆転されてすぐ。流れの場面でも大きい」と決勝打を評した上で「もう1本、俊には必要」とさらなる期待をかけた。10日に糸井が左足首負傷で出場選手登録を抹消されて以降、9試合に先発して8戦で安打を記録。定位置獲得へ-。若きバットマンがひたむきに、結果だけを追い求めていく。【奥田隼人】

▽阪神清水ヘッドコーチ「逆転されてからも俊(高山)がよく打ってくれた。こういう試合が続けば、良い試合になると思う」

▽阪神浜中打撃コーチ「今日は高山。高山がカバーしてくれた」