2020も球児が必要! 阪神藤川球児投手(39)が9日、2度目の海外フリーエージェント(FA)権の資格取得条件を満たした。藤原崇起球団オーナー(67=阪神電鉄会長)は鉄腕守護神について「みんなを引っ張る象徴」とコメント。

球団投手陣では福原忍(現投手コーチ)を抜いて最長となる在籍19年目へ、大きな期待を寄せた。今後は条件面などでも誠意を示し、全力で引き留める。

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最大限の努力で守護神を引き留める。プロ21年目のベテラン藤川が、メジャー挑戦した12年オフ以来、2度目となる海外FA権を取得した。チームは逆転でのCS進出をかけた正念場。藤川は権利取得について「今日、明日の戦いを日々やっている。当然それ以外ないです。勲章でもなんでもないです」と直接的な言及を避けたが、球団はブルペンの柱を来季も大きな戦力として考えている。

大阪市内で取材に応じた藤原オーナーは「みんなを引っ張る象徴。頑張ってほしい」とその存在の大きさを改めて強調した。谷本球団副社長も「みなさん、どう思います? 同じように考えています。うれしいですよね、復活してくれて」と残留へ全力を挙げる。今後の交渉では、条件面でも誠意を尽くす方針だ。

タテジマ復帰4年目の藤川は今季、4月上旬に1度2軍調整となったが、再昇格後は鉄壁のリリーフとしてフル回転。7月下旬にドリスが出場選手登録を抹消されてからは、守護神として9回に仁王立ちしてきた。48イニングに登板して、わずか8失点。防御率1・50と抜群の安定感を維持している。来季も阪神のユニホームに袖を通せば、投手陣最長の福原に並び在籍19年目となる。

若手投手陣にも積極的にアドバイスを送り、中心となってブルペン陣をまとめるなど、積み上げた数字以上にチームへの影響力は大きい。球団史を彩る伝説のストッパーを簡単に手放すわけにはいかない。

大記録も待っている。現在NPB通算236セーブは現役投手の中で最多の数字。大リーグ時代の2セーブを合わせると、名球会入りの条件となる250セーブまであと12と迫る。阪神生え抜き投手の名球会員は222勝を挙げた村山実だけ。抑え投手として藤川が入会すれば、球団初の快挙になる。残り15試合の今季は困難な数字でも、来季は早々に射程に捉える。

2020もタテジマの球児に期待。球団も全力サポートする。