今季限りで引退する高橋聡文投手(36)が古巣中日戦で、現役生活にピリオドを打った。7回先頭で登板すると、両チームのファンから大声援。福田に対して4球全て直球を投じ、最後は134キロ直球で三ゴロに仕留めた。「野球はいいなと本当に思いました。やっぱ、辞めるのやめようかな(笑い)」。古巣からチームメートだった福留、中日大野雄から花束を贈られると、感慨深い表情。渡した福留も目を潤ませていた。

試合前には藤川が中心となり「引退セレモニー」が行われた。高橋聡の登場曲が流れ、バックスクリーンには「聡文さん 中日14年間 阪神4年間 18年間 お疲れさまでした」の文字。「うれしかったです。気付いたらマウンドにいて、うまく誘導されました」。さらに、FA入団当時の金本前監督から送られたメッセージを多田打撃投手が代読。阪神に来てくれた感謝が込められた内容に、思わず感極まった。中日14年、阪神4年の18年間532試合で先発0。ブルペンに欠かせない左腕が、すがすがしくグラブを置いた。【磯綾乃】