僕にはやっぱり野球しかない。覚せい剤取締法違反で有罪になり、執行猶予中の清原和博氏(52)が30日、今の胸中を赤裸々に語った。「WorldTryout2019」(11月30日、神宮球場)に「監督」として参加することを発表。会見前に行った日刊スポーツと動画配信サービス「Paravi(パラビ)」のインタビューで、野球が再び家族の絆をつないでくれたことなどを明かした。

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-今年の日本シリーズは清原さんもプレーした00年以来の巨人とホークスの対戦でした。

清原氏 見てました。はい。

-どのような目線で

清原氏 う~ん…まぁ、あの今年、本当にスポーツ全体が盛り上がっていまして、ラグビーもありましたし、そこに日本シリーズもかぶってきましたし。何て言うんでしょう。2000年。あの時は、長嶋さん、王さんの「ONシリーズ」と言われた中でやらせていただきましたけれど。

僕も一緒にプレーしたことのある工藤さん、もちろん自分の監督であった原さん。パ・リーグを代表するソフトバンクとジャイアンツ。ソフトバンクも最後まで西武と死闘を繰り広げて。僕個人はやっぱりパ・リーグを応援してしまうんですけれど。

だからやっぱりパ・リーグの選手の日本シリーズに対する意気込みというのは、勢いを感じましたし。やっぱり日本一になってこそ。日本シリーズに勝ってこそパ・リーグの選手、チームというのは認められるという気持ちだと思いますし。

まぁ、ここ10年とっても、ほとんどパ・リーグが日本一とってますよね。まぁ、結果的に4勝0敗というカタチになりましたけど、力の差は五分だったと思うんですけど、ソフトバンクのクライマックスからの勢いがそのままシリーズにつながっていったんじゃないかなと。

-シーズン中にはヤクルト村上選手が10代の清原さんの記録を抜く本塁打を打った。見ていましたか

清原氏 ええ。(村上が)あの前半、調子悪かったころ。神宮でその…ヤクルトの若手の選手が早出特打する前にたまたま僕、神宮にいたもんですから。室内に。そこでヤクルトの選手が打ち始めたときに「ん?」って。ひときわ体が大きくて、いいスイングしてるなというのが村上選手だったんですよ。その頃は調子が上がってなくて。でも必ずこの選手は上がってくるんだろうなという雰囲気のあるスイングは、すごい脳裏に残っているんですね。

-一番の良さはスイングですか

清原氏 やっぱりスイングの速さ、強さ。今年、まぁ、あの…ホームランの数もクローズアップされましたけど、その半面、三振もかなりしてますしね。でもやっぱりそういうことも大事だと思うんですよ。結果欲しさに、そういう当てにいくことをせずに、シーズン通してあれだけバットを振れるのは本当にすごいことだと思いますし。

その結果、三十何本でしたっけ? 36本。そういう記録が生まれたんだと思いますね。やっぱりその10代であったり、そういう時になると、打てないと、その(先発を)外されるんじゃないかとか、どうしてもバッティングがちっちゃくなりがちなんですけど。もう今のまま。確実性というのは…来年もっと攻めは厳しくなると思うんですけど、彼なりに経験は出てくるでしょうし。まぁ、状況に応じたバッティングも、ちょっと幅も出てくるでしょうし。そうすると、不動の4番になれる器だと思いますよね。

-ひとつアドバイスするとすれば

清原氏 (少し考えて)まぁ、とにかく小さくならないでほしい。ホームランがたくさん打てたから、今度、率を上げようとか、そういう。はい。やっぱり村上選手らしい豪快なホームランをファンのみなさんも待ってると思うし。だから小さくまとまってほしくないなと。今のまま、あれだけの練習量…うわさによると一番早くグラウンドに来て、最後までバットを振っていると。そういうことが一番大事だと思うんで、それを続けていってほしいなと思いますね。

テレビで見るたびに、彼なりに工夫してるなというのは、すごく伝わってくるんですよね。その、ステップの仕方を変えたりだとか、足の上げ方を変えたりだとか、トップの位置を固めてそこから振ったりだとか。かなり工夫してやってるのは見てて伝わって来ます。まぁ、そういう中で、なかなか試合の中では、そういうことってやりづらいんですよね。でも、まだはっきりこれっていう型っていうのは決まりづらいんですけど、試合でこう、バッティングフォームを気にしないようにやっていけば、もっともっと振るボールだけに集中できるようになれば。

でもそうやって試合で微調整していくことも才能の1つですし。だから本当に、体も大きいですし、今年の気持ちを忘れずに。僕もルーキーで3割、30本打って、ちょっと油断した部分があったんで(笑い)。油断せずやっていけば(笑い)。大丈夫だと思います。