福島・会津若松市出身で東京6大学野球リーグの明大・公家響内野手(4年=横浜)が、主将として春季リーグと大学選手権連覇に挑む。小学生時代から全てで主将を務めるリーダーシップと豪快な打力が魅力だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、リーグ戦開幕は早くても今月30日以降となり、1946年(昭21)以来の1回戦総当たり方式に決定。大学選手権(神宮)も8月20日開幕に延期されたが、田中武宏新監督のもと準備を進める。

大学最終イヤーに、公家の気持ちは高ぶっている。「自分だけじゃなく、みんながやってやろうという気迫と、ウキウキした熱い思いが出て活気がある。投手、野手ともに良い感じで、きています」。昨春はリーグ戦を勝ち点5で優勝し、大学選手権では佛教大との決勝で「7番DH」で先発出場するなど38年ぶり制覇に貢献。だが、秋は自身も過去最多8試合に出場したものの東大以外からの勝ち点を逃して屈辱の5位。「どっちも味わって、負ける時には明らかな理由があることも分かった。慢心もあったと思う。1日1日をムダにせず、積み重ねることが大事。春の連覇は明大にしか出来ないこと」と力を込めた。

公家にとっては横浜高の先輩で、高校時代から憧れている理想の主将像が2人いる。明大でもエースだった中日柳裕也投手(26)と、立大で主将を務めて現在は大手企業に勤務する松崎健造さん(23)。「柳さんは食事に連れていっていただいたりして、何でも相談に乗っていただける雰囲気を持った方。松崎さんも何げなく話しかけてくれ、後輩でも友達のような感覚で接してもらえることで、自分自身も力を発揮出来たと思う」。学年関係なくコミュニケーションをとり、気配りの出来る主将として、チームの結果を導くつもりだ。

今春は1試合総当たりに変更され、1戦の重要さは間違いなく増す。「とにかく初戦の入りは大事。あとはどんな状況であっても早大戦は何としても勝たなくてはいけない」。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が続き、先行きは不透明だが、再開を信じて各自が自覚を持って行動中。精神的支柱となる公家の本領発揮が期待される1年が始まっている。【鎌田直秀】

◆公家響(くげ・ひびき)1998年(平10)4月2日生まれ、福島・会津若松市出身。幼稚園年長から野球を開始。小金井小では小金井ブレーブスでプレーし、小6時には楽天ジュニアに選出。会津若松四中時代には会津ボーイズで活躍し、中学日本代表の「4番三塁」として世界制覇にも貢献。横浜では高校通算29本塁打を放って3年夏に甲子園出場。180センチ、84キロ。右投げ右打ち。遠投110メートル。50メートル6秒4。家族は両親と妹2人。血液型O。好きな食べ物はサンドイッチ、エクレア。