プロ野球の臨時オーナー会議が12日、オンラインで行われ、DeNA南場智子オーナーが「今季は試合数が削減となり、また開幕した場合でも無観客となる可能性もあり、プロ野球はかつてない危機的ともいえる状況です」と話した。

10球団のオーナーと2球団のオーナー代行が参加。6月中旬から下旬の開幕を目指す方針を確認した。議長を務めた南場オーナーはZoomで会見し「(開幕のために)選手、スタッフ、関係者の安全と健康を確保し、日程を含め、移動や試合中のリスクを最小限に抑えるための準備と、ガイドラインの作成をより迅速に行っていくということで一致した」と説明した上で、プロ野球の置かれた厳しい現状に言及した。

直面しているのは経営面の問題だ。同オーナーは「減収のインパクトは大きい。球団経営だけでなく選手、ファンへの影響もある。ここをみんなで乗り越えていこうと一致した」と話した。選手の待遇問題なども1つの要素として話題に上がった。だが、喫緊の課題は経営基盤をしっかりさせること。出席したオーナーからは「今回のような出来事が今年だけで終わる保証はない。短期的でない中長期的に何ができるか」という指摘もあった。

会見に同席した斉藤惇コミッショナーは「プロ野球として独立して長期的にやっていけるようにしようと。親会社から補填を受けているようでは社会人野球と同じじゃないかというのもある」と球団経営の健全化に、あらためて目を向けた。

各球団本拠地は緊急事態宣言の解除が早まりそうにはない。各オーナーがコロナ禍の現状をどう把握しているかについて南場オーナーは「地域によって違いもある。すぐに楽観視するような状況ではないと一致している。ファンの方々に野球を届けたいというのがある。緊急事態宣言が解除されたら、速やかに準備したい。各地域で個々で説明したのではなく、プロ野球だけ浮かれているという状況にはならないと一致している」と説明した。

今後、最短6月19日の開幕に向けて、検討していくことになるが、開幕のゴーサインを出す道筋については「目指す方向性は明らかですし、タイミング的にはざっくりと6月中旬から下旬を目指すということで合意している。選手、関係者の健康の確保がしっかりと定まるか、世の中の感染状況の推移を見極める。12球団代表者会議で決まっていくと思う」とした。