BCリーグが20日、開幕する。新潟は信濃とホームのエコスタで対戦。新型コロナウイルスの影響で予定の4月11日から2カ月以上遅れたが、県スポーツ界では最初の公式戦開始になる。2年目で今季、主将に就任した内藤晃裕内野手(24)は長打を持つ1番打者としてチームをけん引。自身の目標でもあるNPB入りをかけたシーズン、開幕戦からギアをトップに入れる。

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「チーム全員、同じ方を向いて戦っていこう」。内藤は練習に入る前の野手陣を集めて声をかけた。降雨の影響を避けるため、19日の前日練習は室内で行われた。ノック、ティー打撃と軽めの調整になったが「うれしいですね。早く試合がしたい」とチームリーダーは高揚感を保ったままだった。

手応えはつかんだ。最後のオープン戦だった17日の福島戦は1番打者で5打数1安打。「数字的にはよくないかもしれないけど、感触は悪くない。調子はいいと思う」。昨季は後半戦から1番に定着して通算5本塁打。持ち味の長打力に自信をつけた。今季はその感覚を磨き上げる。

4月11日に予定されていた開幕が2カ月以上延びたが、この間の自主トレがプラスになった。「必ず開幕すると思っていたので気持ちは切れなかった」。新型コロナウイルス感染防止のため、グラウンドも筋トレ用のジムも使えなかった。それでも自宅で体幹を鍛え、映像を見て打撃フォームをチェック。稲葉大樹兼任コーチ(35)だけでなくチームメートにもアドバイスを求めた。「調子が悪くても対応できる引き出しはできた」。その成果を見せる楽しみもある。

清水章夫監督(44)は「主将経験はないと言っていたけど、よくまとめている」と高いモチベーションで行動する内藤に信頼を寄せる。打者としても「走者がいなければ自分で出ようと工夫するし、いればなんとかかえそうとする。4番でもいいが、1番の方が力を発揮できる」と能力を買う。

チームの目標は12年以来の独立リーグ日本一。そこに内藤には個人目標のNPBドラフト指名もある。昨季の主砲で日本ハムに育成2位で入団した樋口龍之介内野手(25)は昨季19本塁打を放っていた。「樋口さん以上の20本を狙う」。その先に2つの目標達成を見据えた。【斎藤慎一郎】

○…清水監督は開幕を前に「キャンプのような練習で鍛えることができた」と話した。故障者が復帰し、新人がチームに溶け込むなど、長期となった延期の間もプラス要素は多かった。「負けても前を向いて次を考えることが必要」とリーグ戦に向かう心構えを選手に説いた。一方で「負けを想像できない」とチーム力に手応えを感じて開幕を迎える。