無観客試合ならではの珍事が神宮球場で起きた。9回表開始前、中日与田監督が嶋田球審に話しかけた後、同球審は一塁側ベンチに向かいヤクルト高津監督とスタンドの放送ブースを指さしながら話し合うシーンが見られた。中日の加藤球団代表によると与田監督は「報道ブースから『捕手がインコースに構えた』などの声が聞こえる」と伝えたという。

ネット裏にある放送ブースでは前面に窓がない状態で試合中継を実施。スタンドが無観客で静かなため、解説者の配球の読みや捕手の位置を伝える実況の声がグラウンドレベルで聞こえたようだ。

    ◇    ◇    ◇

ヤクルトの球団関係者は、実況の音声がグラウンドまで聞こえるという指摘について「まさか、としか言いようがない。想定外でした」と驚いた。

早速試合後に、23日からの阪神戦に向けて神宮球場側と対策を話し合った。ビニール製の透明なシートを放送ブースの前面に張るという。球場の担当者は「放送ブースの換気も考えながらの対策になります」と説明した。