窮地に追い込まれている虎が中日に連敗を喫した。阪神矢野燿大監督(51)は先発中田賢一投手(38)を2回3失点で交代する決断をし、早めに救援陣を繰り出した。だが、打線は連日の送りバント失敗、さらに決定打も欠き、必死の継投も勝利に届かなかった。首位巨人とのゲーム差は10・5となった。

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竜投を最後まで捕まえきれなかった。3回に代打長坂の2ランで1点差まで迫ったが、追いつけず黒星。矢野監督は「結果的に点を取れなかったところが敗因」と振り返った。

必死に追う態勢をとった。先発中田が2回に4連打を浴びるなど3失点。3回の攻撃で、その中田に打席が回ってきた。ベンチは早めの継投を決断し、代打長坂を告げた。指揮官は「春先の試合とは意味合いが違うので。(巨人に)ゲーム差を開けられている中では、ある程度早めにいくのは仕方がないというところで交代した」。崖っぷちに立たされているだけに、ガンケルを3回から2番手で投入したが、勝利に届かなかった。

チャンスはあった。6回は先頭近本が中前打で出塁。7回は連続四球で無死一、二塁の好機を得た。だが、6回は2番陽川が送りバントを失敗しての捕邪飛。後続も打てなかった。7回は中谷、原口と代打攻勢をかけたが、無得点。矢野監督はわずか3安打で決定打を欠く展開に「あと1本が出なかったというところ」。この3試合の得点は本塁打と犠飛によるものに終わった。

2カード連続負け越しで、貯金は2に減った。首位とは10・5差。矢野監督は「(6回の)陽川のところはバントをもちろんしっかりやらないといけないし、流れ的にやることをやったかと言われれば、そういう部分もある」と語った上で、言葉を続けた。「でも、誰かがカバーしていかないと。ミスしたら誰かがカバーして打ってやれば、陽川のも消えてくると思うし、中田賢ちゃんのも、打線が援護してあげれば変わる。そういうところのチームワークというか、そういうのが求められる部分と思う」。残り42試合で、21日からは甲子園で3位DeNAと3連戦。このままズルズルと失速するわけにはいかない。【松井周治】