日本ハムがロッテ18回戦(札幌ドーム)で手痛すぎる逆転負けを喫した。

初回に奪った3点のリードを2つのミスで失い、延長10回に2点を勝ち越された。中田翔内野手(31)を今季初めてスタメンから外して積極的休養を与え、2連投中だったブルペンの大黒柱、宮西尚生投手(35)も起用を回避。シーズン残り40試合へ向けた布石を打つと同時に今季初の同一カード3連勝を狙って勝利寸前まで迫ったが、結末は痛恨の今季40敗目となった。

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試合後の栗山英樹監督は、さまざまな気持ちをのみ込むように、言った。

栗山監督 本当に、いろんなことがあるけど、このままではいけないので、しっかりやっていきます。

残りの40試合での大まくりを見据えた勝負の布陣で臨み、大きな勝利を逃した。全試合で4番を託してきた中田をスタメンから外した。疲労が蓄積する主軸を休ませ、4番に西川を据えた打線は初回に3得点。好スタートを切った。一方で、2連投中だった宮西も起用は見送った。投打の絶対的な柱を休ませながら勝利も得る、二兎(にと)を追った試合だったが、野球の神様は、そんな考えを許してはくれず、逆に大きな課題を突きつけられた。

痛恨の黒星はミスから始まった。3点リードの6回は石井が先頭打者の遊ゴロを捕球ミス(記録は失策)。ムダな走者を許して、ロッテ佐藤の2号2ランを誘発して試合の流れを失った。1点リードの9回は清水が捕逸。直後に飛び出した一塁走者を刺そうとした送球もそれ、一塁手の清宮もカバーしきれずに二塁走者が生還(記録は清水の失策)。自らつくった負の流れにあらがえず、9回裏は代打中田も不発。延長10回は新人鈴木健に託したが、荷が重かった。

勝負どころでのミスは、過去2年のシーズンでも見られた、チームが克服しなければいけない課題だ。夏場に失速した18年と19年も、手痛い失策で落とした試合から黒星が立て込んだ。栗山監督もデジャヴのような光景に「分かっている、それは。なんとかするしかないので」と語気を強めた。この、痛恨の1敗を生かすには、残り40試合で昨季までとの違いを見せなければいけない。最後にアクセルを踏むために残した余力が、無意味になってしまう。【木下大輔】

▽日本ハム西川(プロ初の4番で初回に先制打) 4番でなく“4番目”の打者として仕事ができました。

▽日本ハム鈴木健(10回に2失点。プロ初黒星に) 打たれたくないという思いが強すぎて、コースを狙いすぎてしまいました。大事な場面で失点して本当に悔しいです。

○…先発金子弌大投手が緊急降板した。2回2死、井上との対戦中に、体に違和感を覚えるようなしぐさをみせ、木田優夫投手コーチとトレーナーが駆け寄った。

右ふくらはぎがつったもようで、この回を抑え、ベンチに戻った後も手で顔を覆うなど、悔しさをにじませる場面もあった。3回が始まる前、ベンチ前でキャッチボールは行ったものの、登板することなく退いた。