ソフトバンク千賀滉大投手(27)の意地の熱投は実らなかった。

オリックス先発山本との「エース対決」で手に汗握る投手戦を演じたが、8回1失点で今季5敗目。「負けるということは、失点をしてしまっているということ。その事実はしっかりと受け止めないといけない」。エースらしく潔い言葉で悔しがった。

初回は3人斬りの立ち上がり。2回無死で吉田正に先制のソロを浴びたが、3回以降は無失点と立ち直った。17年以来、3年ぶりに3戦連続で上がった8回のマウンドは3者三振で抑える圧巻の投球を見せ、今季初の無四球でまとめた。

千賀の姿に乗せられたかのように、工藤監督も勝利への執念を見せた。9回無死から登板した2番手松本が2死から安打されると、吉田正を迎えたところで左キラーの嘉弥真を投入。追加点を許さず、最終回の反撃へ望みをつなぐ継投だった。指揮官は「(千賀は)本当に良かった。(松本、嘉弥真は)勝ちパターンで投げる投手。なんとか勝ちたい思いでいかせてもらいました」と唇をかんだ。

この日のペイペイドームは入場者数の上限をこれまでの収容人数の約30%から約50%に引き上げ、1万9909人がスタンドを埋めた。19日の動員緩和後からチームは3連敗。次こそは鷹党に勝利を届ける。【山本大地】