広島が巨人菅野の開幕からの連勝を13で止めた。左打者を多く並べた打線の中で、菅野キラーの西川龍馬外野手(25)は2回の先制点に絡んだ。コンディション不良から復帰後2戦連続安打。打線に厚みをもたらし、チームを3連勝に導く働きを見せた。

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左、左、左で先制点をもぎ取った。開幕から13連勝と難攻不落の菅野に対し、広島は先発野手8人のうち、左打者を6人並べた。試合前時点での被打率は右打者が1割7分5厘、左打者は2割3厘。主導権を奪う2回の先制点は、松山の二塁打から西川が右前打でつなぎ、坂倉の併殺打の間に奪った。いずれも左打者だった。

4回も「左重視」の打線が発動した。田中広の右前打から無死一、二塁とし、松山が初球を中前にはじき返した。1死一、二塁から相手のミスに乗じて加点すると、“右”の菊池涼にも適時三塁打が飛び出した。

復帰した「菅野キラー」が打線を活性化させている。西川は11日に1軍復帰したばかりで、離脱中の対戦2試合は欠場しており、7月14日以来の再戦。3打数2安打だった前回に続き、2回は先制点につながる右前打を放った。菅野に対してはこれで通算45打数18安打、2本塁打、4打点、打率は4割となった。好相性の理由を問われ、かつてこう語った。「苦手意識はありません。だって、きっちりストライクゾーンに投げてくるじゃないですか。どこに投げてくるか分からない投手ではない」。天才的な打撃技術を誇る男らしい表現で、この日もブランクを感じさせず難敵攻略の突破口を開いた。

復帰から2戦連続安打と起用に応える西川に、朝山打撃コーチは「チャンスメークでき、勝負強さもある。今の打線は3、4を固定している。鈴木が出塁率が高い。西川にはかえしてくれる打撃もできる」と信頼を置く。主砲鈴木誠と松山とともに中軸を担うことで、打線に厚みが増した。佐々岡監督も「やられていた中でいろいろ考えながらやった。つながりのある攻撃をしてくれた」と攻撃陣の奮闘ぶりをたたえた。

菅野の連勝記録を止め、チームは3連勝。広島打線に西川ありを強く印象付けた。【前原淳】