楽天の契約更改が28日、仙台市内の球団事務所で行われ、1994年(平6)生まれの新鋭バッテリーがともに増額で更改した。ドラフト6位ルーキーの滝中瞭太投手(25)は400万円アップの1300万円、山形・酒田市出身の下妻貴寛捕手(26)も300万円アップの850万円でサイン。イーグルスを下支えする2人が来季への飛躍を誓った。(金額は推定)

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初めての契約更改を終えた滝中が、口元を引き締めた。「いい評価をしていただいたので、責任感がついてくる。来年はその評価の期待に応えられるように頑張りたいです」。今季は開幕2軍スタートも9月19日のソフトバンク戦でプロ初登板初先発。4戦目の10月11日の西武戦で8回2/3、2失点と力投しプロ初勝利をつかんだ。全8試合で同学年の下妻とバッテリーを組み、クオリティースタート(6回自責3以内)を4度達成。2勝1敗、防御率3・40の成績を残し、シーズン終了まで先発ローテを守り抜いた。

オフのテーマに「体作りと精度向上」を掲げた。シーズン終盤にコンディション調整の難しさを実感。走り込み、投げ込みに重きを置く。「1年間ローテーションを守り抜いて、チームの日本一のピースになりたい」と来季へ意気込んだ。

女房役の下妻は駆け抜けた8年目のシーズンをかみしめた。「激動の1年でした。チームが苦しい時期に1軍に上がって、少しでもチームの力になれたのかなと思います」。今季は育成選手で1軍キャンプスタート。2月に支配下登録を勝ち取った。「支配下をつかめなかったら正直1年が終わりだと思っていました」。8月30日に今季1軍初昇格。9月24日のロッテ戦でプロ初本塁打を放つなど、自己最多の43試合に出場した。「自分の信念を持って、取り組めた。2軍と同じように、落ち着いてリードもできました」。

正捕手どりへ課題を明確にした。今季の打率は1割5分6厘と振るわなかった。「ミート力を上げて、打率2割2分は打ちたい」。18年に負った右肩痛の影響も薄れ、秋季練習では送球練習へ熱心に取り組む。「捕手陣の中で、トップに立っているわけではないので、飛び出せるようにブロッキング、防御率で勝負していきたい」と力を込めた。【佐藤究】