来季もロッテ残留…ファンに朗報を届けた石川歩投手(32)にも、この上ない朗報が舞い込んだ。球団SNSのQ&A企画でラブコールを送った地元富山・魚津市の温浴施設「辻わくわくランド」が、石川のためにサウナ室温の設定を5度も上げたことが明らかになった。水風呂との温度差は、実に約90度に。球界きっての“サウナー”が愛する聖地の強化が、来季優勝への後押しになる…かも?

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ゴエモンこと石川のひと言が、ふるさと魚津を熱くした。5月、球団SNS企画で「富山のおすすめスポットはどこですか?」との質問に即答した。

「辻わくわくランドですね。スーパー銭湯です」

ファンには「???」の変化球も、本人は至ってド直球。球界きってのサウナーだ。フィンランド式に魅せられた名古屋の名店「ウェルビー栄」、水風呂の質にとりこになった静岡の殿堂「サウナしきじ」とともに、自身ベスト3に選出。理由を「富山では少ないんですが、サウナの後に休憩するスペースがある。整いますよ」と語った。

愛には愛を。当時のネット記事を見た同店の総責任者・阿川直樹さん(50)がすぐに人知れず動いた。95度だったサウナの基本室温を100度に改造した。維持費は少し増えるが、それでも上げた。「シーズンオフに魚津に帰っていらしたときに、喜んでいただければと思いまして」。

この5度が大きい。サウナの肝の1つが水風呂との温度差とされる。特に石川は「水の質ですよね。塩素くさい店もたまにある」とこだわる。同店の水風呂はベストの13度。立山連峰からの伏流水をくみとって掛け流す豪華さだ。ヒノキが香るサウナは時に103度まで上昇。温度差は最大90度に広がった。石川には「心地よい湿度を」というこだわりもあり、さらなる進化もあるかもしれない。

オフも長いヒゲを伸ばしっぱなしにする予定だ。郷土でゴエモンサウナを楽しみながら、野球人生を思うか。メジャーの夢も抱きつつ、来季も40キロに近い球速差でパの猛者を手玉に取る。3年連続開幕投手の可能性もある。サウナ愛を語りながら問われると「投げろと言われれば投げますけど…」と声色にやや緩急をつけた。【金子真仁】

◆プロ野球選手とサウナ 愛好者は多い。心身の体調管理に利用するケースが多く、遠征先のリラックス法として午前中にルーティン化している選手も。大型サウナに飾られているサインをよく見ると、同じ面々が並んでいる場合に出くわすことも。札幌「ニューリフレ」、仙台「キュア国分町」、大阪「ニュージャパン」「阪神サウナ」、兵庫「神戸サウナ」、広島「ニュージャパンEX」、福岡「ウェルビー」、宮崎「第一ホテル」などが王道。体力がある上に発汗にも慣れており、サウナ→水風呂のセットを一般より多くこなす傾向がある。「水風呂は15度以下、深め」「100度以上」「乾きすぎはNG」など、それぞれのこだわりがある。