“大明神”が新球場元年の23年へ向け、チーム改革に着手する。日本ハム近藤健介外野手(27)が6日、来季の新選手会長に決まった。17年オフから会長を務めた中島卓也内野手(29)は退任。ボールパーク建設が進む中、今季5位に沈んだチームを引き上げるため、若手選手の声を取り入れた野球環境の整備などを行っていく。

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ボールパーク開業を控え、再び黄金期を迎えるために、新選手会長が求めるのは「考える選手」だ。ファンフェス後、新選手会長に就任することを公表した近藤は「(全員で)同じ方向に向けるように厳しいことも言うと思う。練習なんかも、本当は選手が考えて出来るのが一番いい。考えられたりする選手が増えてくれば強いと思う」。自ら考え、行動し、追求できる選手を増やしていく。

23年には、北広島に建設中の新球場が開業する。新時代へ、チームとして大事な時期での同職就任。「いい球団になるために、野球がやりやすい環境だったり、ファームの選手の意見も取り入れたい。そういう選手の力を借りないと、優勝は出来ない」。若い選手が多いチーム事情を考慮。新球場で主力としてプレーすることが期待される選手たちの意見を丁寧に吸い上げ、野球環境を充実させるために球団との調整役となるつもりだ。

前回日本一になった16年のダッグアウト裏では、近藤の少年時代の写真が“御利益がありそうな顔”だとチーム内で話題になり、張り出されて選手たちの信仰を集めた。日本シリーズでも皆が手を合わせ勝利したことで、“近藤大明神”の神通力を世に広めた。初の大役に「先頭になってやらないといけない。良いも悪いも見本になってしまうことがあるので、肝に銘じて、新たな覚悟を持ってやらないと」と意気込む。

近藤 今年5位という悔しい結果に終わって、選手、ファンの皆さんも同じ気持ちだと思う。この悔しさを、しっかりと忘れないことが大事。

選手の、そしてファンの願いを成就させるべく、先頭に立って改革の旗を振る。【中島宙恵】

 

○…ファンフェスでは、近藤は野手チームのリーダーを務め、見事に勝利に導いた。「チーム力の差です」とニヤリ。サッカーやリレーなど、5種目中4種目で相手を圧倒。MVPには毎年、一緒に自主トレを行っている愛弟子の平沼が選ばれた。近藤は「このままの力を(試合で)出せれば、めちゃめちゃ強いチームになると思う」と、チームワークの重要さを強調した。