巨人から金銭トレードで阪神へ移籍した山本泰寛内野手(27)が10日、兵庫・西宮市内の球団事務所で入団会見を行った。背番号は「00」に決定し、年俸1800万円で合意した。

山本は開口一番に「必要としてくださった球団に入れることは光栄なことだと思いますし、率直にうれしいなという気持ちです」とコメント。阪神と巨人、両球団間の移籍は阪神カツノリ(野村克則)捕手が04年1月23日、金銭トレードで巨人に移籍して以来16年ぶりとなった。山本は「ジャイアンツにいたときから(阪神に)負けたくないなという気持ちでやってましたけど、今度は逆の立場。ジャイアンツに負けないぞっていう気持ちで今度はやれると思う。その辺に関してはすごく楽しみではあります」と胸を躍らせた。

巨人を退団する際、原監督からは「持ち味を十分に発揮して、自分にしかできないことをみなさんにアピールしてやってきてほしい」と言われたという。阿部2軍監督にも「やるからにはレギュラーを目指してやってきてくれ」と背中を押された。移籍1年目の目標には「スタメンで出ること。規定打席到達を目標にやっていきたいと思います」と、力を込めた。

内野全ポジションをこなすユーティリティープレーヤーだが「二遊間を守りたい」と宣言。阪神には糸原、木浪、小幡らライバルが数多くいる。「僕が今やれることっていうのを存分に発揮して、その中で結果的に規定打席に到達してチームに貢献できればなと思っています」。今年はMBS(毎日放送=大阪市)の辻沙穂里アナウンサーと結婚し、来春には第1子の誕生が予定されている。「子供もできますし、守るべきものもいる。しっかり僕が支えていかなきゃな、と思います」。タテジマを着て、かっこいいパパの姿を見せていく。(金額は推定)

◆山本泰寛(やまもと・やすひろ)1993年10月10日、東京生まれ。慶応高から慶大に進学し、15年ドラフト5位で巨人に入団。内野全ポジションをこなすユーティリティープレーヤー。プロ5年で通算186試合に出場し、打率2割3分4厘、3本塁打、22打点、5盗塁。176センチ、76キロ。右投げ右打ち。

▼阪神木戸克彦プロスカウト部長(山本について)「スタートから出ても、中盤、終盤から行っても対応できる選手。状況や流れに応じた守備や打撃ができる。矢野監督からの要望もあった。巨人から取ったとみんな言うだろうけど、良い、欲しい選手がたまたま巨人にいたということです」